完全な目覚めへのシナリオ

前回の続きです。




＜質問者＞

破産してしまった後

私もいくらか成長して

「これは必要な体験だったのだ」と

理解できるようになったのです。




でも同時に心の片隅で

「こういう波瀾万丈な体験を経て

　きっと最終的には大成功に結びつくのだ」

という思いもありました。






＜アジャ＞

まだ未来への期待があったのですね。





＜質問者＞

そうなんです。

でも最近になって

わずかに残っていた希望さえも粉々に打ち砕かれて



ついに

もうどうしようもないのだと

完全に降参しなくてはいけなくなりました。







＜アジャ＞

それでいいのです。

そこが大切なポイントなんですよ。






目覚めの体験が始まると

私たちの人生で

そのようなことが起こり始めます。



ここに来ているみなさんの多くも

同じようなことを体験するのですよ。





真実を垣間見て 目覚めが起こり始めた途端に

手放すべきものを全てスパッと手放すことができる人は

滅多にいないのです。




ほとんどの人は

個人的な意志や願望が

少しずつ 砕かれていきます。





個人的な意志や願望とはどういうものなのか

きっちり定義するのは難しいですが



目覚めの初期段階においても

「人々にメッセージを発信したい」など

人生の大きな目的のように感じられるものなのです。



しかし そのような思いも単に

個人的な願望から創り出されたものなんですよ。




そして

目覚めの体験が始まると

その後の人生で

個人的な願望は消えていくのです。





本人が納得してもしなくても

個人的な願望は



どんどん消えていく人もいれば

時間がかかる人もいて



わりと簡単にあきらめて手放せる人もいれば

困難な体験をして

無理やり奪われるように手放していく人もいる。



そういうシナリオになっているのです。





「ナゼこんなことになったの？」

「手放したくなかった」などと感じたとしても

それが目覚めへのシナリオであり

進むべき道なのだと

なんとなく分かっているでしょう？






目覚めは

あなた個人が期待するような

理想的な展開とは違うのですよ。






＜質問者＞

なるほど。

どういうことなのかよく分かってきました(笑)





＜アジャ＞

あなたが期待しているよりも

もっと良いことが起こってくるのです。



「良いこと」と言っても

成功するとか

世界中の人にメッセージを伝えるとか

必ずしも華やかなことという意味ではないのですよ。




どういう意味なのか

今のあなたには決して分からないでしょう。



でも 間違いなく

あなたが想像も出来ないほど

素晴らしいことが起こってきます。






たとえば




朝起きてお茶やコーヒーを飲むとき

ティーカップを手に持つ。




ただそれだけの

何気ないシンプルな動作が



真実の完ぺきな表現だと

感じることが出来るのです。




カップを手に持つという

ただそれだけの動作が

完全な神聖そのものだと



何も考えなくても

はっきりと感じられるのですよ。




そして

これほど幸せなことは無いと思えるのです。





もちろん

子供の顔を覗き込んだり

何か別の行動に

より大きな喜びを感じることもあるでしょう。



そのような

何でもない日常の動作ひとつひとつに



完全に満たされて

いますぐ死んでも構わないと思えるほど

この上なく幸せで

他に望むことなど 

何も無いと思えるのです。






あなたも

初めて目覚めの体験をした瞬間に

この感覚を感じたはずですよ。




覚えていますか？




その瞬間

いまここが完全で

この上なく満たされて




個人的な望みが叶うとか叶わないとか

そんなことは

どちらでもよくなったでしょう？





あなたが初めて目覚めを体験した

その瞬間の その場に

戻っていくのです。




それほどシンプルなことなんですよ。





完全に戻ると

あなたは何かを通して

真実を表現し始めるでしょう。




CDを出しているかもしれないし

スーパーで仕入れをしているかもしれない。



その時どんな仕事をしていても

それがあなたの表現であり

こだわりなど無くなっているのです。

個人的な願望など

あってもなくても

達成してもしなくても

どちらでもよくなるのです。

いま話していることは全て

最初の目覚めの瞬間に気付いたことでしょう？

それを思い出してもらうために

話をしているのですよ。

途方も無く素晴らしいものだけれど

決して派手ではなく

さりげなく ひっそりと現れた

とても微細なものなので

簡単に忘れてしまうのですね。










これまで起こってきたことも

いまここで起こっていることもすべて

あなたが真実へ戻るシナリオの一部であり



その安らぎの場へ戻るために

必要な出来事は何でも

あなたは受け止めていくのです。







試練は

抵抗すればするほど

手厳しくなるのですよ。



抵抗しなければ

そんなに厳しいものではありません。

必要以上に厳しくされることはないのですよ。






どうか楽しんでください。

楽しくないときも(笑)楽しんで！