2013/04/18

困難に対処するには

(エックハルト・トールのレクチャーより)


まずは
なるべく一人で自由に使える時間帯に
練習してみるとよいでしょう。


たとえば朝起きた後とか
日常の仕事のちょっとした合間や休憩中
1分でも30秒でも良いので


意識的に「今この瞬間」に入り
五感をじっと感知することから始めてみてください。

集中して。
きちんと感知するには集中力がいりますからね。



そうするとすぐに世界が活き活きとしはじめ
厄介な問題や困難が消えていくでしょう。


感覚に意識を集中すると
困難が消えていくのです。

なぜなら
厄介な問題や困難は
思考の中だけにあるのですから。


今この瞬間にいると
困難が消えてしまうなんて
不思議ですよね。


思考は
「いいや、厄介な問題は消えていないよ」
と言うかもしれません。


もちろん
あなたが再び頭で考えはじめると
厄介ごとはまた復活しますが

頭で考えていないときは
存在しないのです。


異論がある人もいるかもしれませんので
説明させてください。




たとえば

あなたがある困難な状況に出くわして
それに何とか対処しないといけないとします。


しかし
対処できる場所は「今この瞬間」だけ
なのです。


そして
「今この瞬間にその状況に対処する」のは
簡単なことです。


その状況に向き合って、見つめます。


見つめることは重要ですよ。


ここで私が言う「見つめる」とは
意識の力という注意を向けることです。




見つめている間は、あなたは考えていません。



どんな分野でも、達人・名人の域にいる人は
この「見つめる」という意味を知っています。

絶対的な「今」にいながら
自分のやるべきことをやっているのです。
優れたワザが「今」から流れ出すのです。


見つめている間は、問題は存在しません。

今にいないで
来週起こるかもしれないことを考えたり
「あんな問題や こんな問題が起きるかも」
などと囚われているときだけ問題が現れるのです。



THE POWER OF NOW という著書にも
書いたかもしれませんが


もし自分が問題を抱えていると思うなら
こう自問してみてください。



「今この瞬間に、どんな問題があるのだろうか?」




今この瞬間というのは、
本当にたった今、この瞬間ですよ。



そうすると



「別れた妻が僕を訴えている」

「家を失うかもしれない」

「家族が病気だ」

「失業するかもしれない」




など思い付くでしょう。

それでも、また自問してください。


「今この瞬間、たった今ここで目の前にどんな問題があるだろう?」





あなたは呼吸をして
体の生命力を感じて
周りを見回して....


「うーん、今この瞬間に限れば、べつに問題はない...」


そう認めないといけなくなります。
本当に今この瞬間になら
問題はあり得ないのです。


驚くべき発見ですね。


だからといって
対処すべきことに対処できなくなる
というわけではありませんよ。

適切なタイミングで
より効率良く対処することができるので

今この瞬間以外ではどうすることもできない問題を
頭の中であれこれ考え出すようなことをして
あなたのエネルギーのムダ遣いをしなくて済むのです。



たとえば
夜中に悩みごとを思い出して眠れなくなってしまったとき
クヨクヨ心配するだけでは何の解決にもなりませんが

思い悩む代わりに
ただ静かに体のエネルギーを感じて

つまり
悩みごとを考え出している次元から離れて
深く「今この瞬間」に入れば


翌朝、起きたときに
「ああ、どうすればいいか分かったぴかっ!
というふうに
適切な解決策が突然ひらめくかもしれません。






それでは先ほどの質問に戻りますが

特に何も悩みがないときは
ただ練習してみてください。


もし何かが「うまくいかない」と
悩んでいるなら...


皆さんお分かりでしょうが
日常的によくあることですね。

物ごとは
自分の期待通りにばかりは進まないものです。



たとえば
バスや飛行機に乗り遅れたりダッシュ!

思いどおりにいかないことも
いろいろあるでしょう。

とてもよくあることです。
それも人生の一部なのですから。




そういえば、人が映画を観に行くのは
そんな理由からでもあるのですよね。



どんな映画でも基本的な構造は...

本当に、どんな映画にも
この言葉で言い表せる構造が
組み込まれているんですよ。


それは


「何か 問題が 起こる」

(会場爆笑笑





だって
そうじゃなかったら映画にならないでしょう。

何の問題も起こらず全てが順調なストーリーだと
誰も進化しないし、つまらない。



それなのに


映画なら何かトラブルが起こるのを観たいのに
自分の生活で何かがうまくいかないと文句を言うのです。

ここにいる皆さんのことではありませんよ。
皆さんはきっと既に
そういう状態から脱しているでしょう笑




でも おかしいですよね。
物ごとは
すべて順調なんてあり得ないのに。

「うまくいかない」ということも
人生の完全な体験の一部なのですから。



もし全てがうまくいったら、つまらないですよ。
何かしらチャレンジがあってこそ
人は進化できるのです。




すばらしい映画の中では
主人公はいろんな困難を乗り越えながら
成長して変わっていきますよね。


でも
いわゆる イマイチな映画だと
主人公には何も(精神的な)困難が訪れないのです。
表面的なバトルだけが描かれて 最後に悪役が倒される。
そんな感じで終わりです。






うまくいかないことがある
というのも
人生の体験の一部なのです。


何かがうまくいかないときも
無意識に反応しないで
その状況に友好的に接してみましょう。



たとえば
誰かがあなたに対して攻撃的だったり
あなたの意見と反対のことを言ったりしても

その状況を敵視しないで
ありのままに見るのです。


否定的にならないでどう対処しようか?と
受け入れましょう。



それは「困難」ではなく
「人生」というものです。


何かが
「うまくいっていない」
と感じるときも


実は
「人生が起こっている」
ということなのです。



どんな課題でも受け入れることができます。

そのように態度を変えて練習していると
だんだん簡単になってきます。

最初は小さなことだけだったのが
最終的には大きな出来事まで

何かが「うまくいっていない」などと思う前に
ほとんどどんなことでも
穏やかに受け入れられるようになってくるのです。


そうやって進化していくのです。
先ほど話した
すばらしい映画の主人公のように。



なぜ今 映画のことを話しているのかというと

先週LAに行って
映画による意識変容について話をしてきたからなのです。
映画業界に意識の力を持ち込む話です。


そのとき私は
クリント・イーストウッド監督の
2つの作品を例に挙げました。



初期の作品は
「ダーティー・ハリー」
というタイトルだったと思います。


最後に悪役が倒される
人気のある娯楽映画なのですが
意識変容を起こさせる映画ではありません。


この映画の最後のほうに
" Make my day. "
という印象的なセリフがありますね。

主人公が悪役を撃つ前に言うセリフで
ここが最も興奮する場面でしょう笑

意識を変容させる映画ではないものの
楽しめる娯楽映画です。




その30年後
クリント・イーストウッド監督はまた
悪役が登場する映画を撮ります。


「グラン・トリノ」
という作品です。

観たことがない方がいらっしゃれば
ご覧になることをお勧めしますよ。


この映画でも悪役が登場するのですが
いろんな困難が解決されていく過程が
初期に撮られた「ダーティー・ハリー」とは全く違っているのです。

これから観る皆さんが自分自身で体験できるように
詳しくはお話しませんが
このような映画は意識の変容を起こすでしょう。

同じクリント・イーストウッド監督の作品ですが
彼自身の意識が
初期と後期で変化していることが分かります。


これは人生にも同じことが言えるのです。


あなたは

人生と敵対し続けることもできますが

人生を友好的に受け入れて
すばらしい映画に仕立て上げることもできるのですよ。

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