依存症

（アジャシャンティのサットサンより）


エゴは完全に依存体質なんですよ。



それが目覚めを妨げている
大きな要因でもあります。



生まれた瞬間から無意識に
依存症になるように刷り込まれているんですね。



ヘロインにも アルコールにも コカインにも
ぜんぶまとめて依存症になっているような


それくらいの根の深さで



周りから認められる


ということに対して
強烈な依存症になっているんです。






人から認められると いい気分になる




幼いときに覚えたこの感覚を
求め続けるようになるんですね。



そしていつも
人から認められるような言動をしようとする








周りから高く評価されたい


人から好かれたい






これは
とどまることのない渇望ですよね。





「私を評価してほしい」

「私を気に入ってほしい」




そんなふうに
無意識にいつも周りに求めているのです。





何だかとても
ミジメな感じではないですか？






「お酒が欲しい　お酒が欲しい...

飲めばラクになれるんだ」






と言っているのと同じ状態ですよ。



アルコールを求めてワナワナしている姿は
美しいものではないでしょう？





苦しみながら



自分にはどうしてもお酒が必要なんだ
お酒がないと生きていけない


と思っている。





そういう人を見ると私たちは




「大変だねぇ...私はアル中じゃなくて良かった」


なんて思うのですが




私たちのエゴだって
実にいろんなことに対して依存症なんですよ。





周りから認められること


人から好かれること


自分の信念や主義主張






そして
「考える」ということにも根深い中毒です



エゴはいつもいつもいつも
特にハッキリとした目的がなくても
とにかく考えたがるでしょう？






しかもエゴは
考えることが知的であるかのように
錯覚をしているのです





少なくともアルコール依存症の人は
それが知的なことだとは思っていませんよね。
とにかく飲まずにはいられないから飲むだけ




でも思考依存症の人は
思考が薬物と同じだということに
気付いていないのです。





僕は 思考という強力な依存物の中毒になっていて
考えるのをやめるとワナワナするし
落ち着かないんだよね






なんて気付いていないでしょう？



次々と刺激的なイッパツを求めて・・・


アルコール依存症ならお酒の棚に向かうけれど
思考依存症はどこに行くかな？





��会場の人「本屋さん」）





本屋さんね！








ひどい禁断症状が出ているときの感覚は
分かりますか？


何もせずじっと座っていると落ち着かない



それは典型的な禁断症状なんですよ。






思考はそのことに気付かず
またあれこれ考え始め


そしてまた禁断症状が現れる。




禁断症状が耐えられないからといって
お酒を飲んでも結局
後からまた禁断症状が出てくるのと同じですね。







どうすれば止められるんでしょうか？




エゴの心理的な依存だけではなく
アルコールや薬物の依存にも
同じことが言えるのですが





どのような依存も
苦しみにつながるだけだと
気付くことです。





依存物質を摂り続けることは
苦しみを先延ばしにしているだけなのだと
気付くこと





アルコール依存がアルコールを飲むことは
次の禁断症状を先延ばしにしているだけ。




エゴの心理的な依存も全く同じです。




そのことに気付いたときに初めて
依存物質に手を出すのをやめてみようと
意識することができるのです





アンソニー・ド・メロという修道士が
知識と意識の違いについて
次のように話していたことがありました。





部屋の真ん中に立っている人がいます
その人の腕にヘビが絡みついてきました。



＜知識＞の人の場合：

　「おや、ヘビが腕に絡みついている。
　ヘビは毒を持っている。
　ということは危険だ。
　つまり噛まれたら死んでしまう。
　さて、どうすべきか？」



＜意識＞の人の場合：

　もう一方の腕でサッとヘビを払い落として終わり







意識の人は考える必要などないんですね。
考えているうちに命を落としてしまうでしょう





それが意識的な人です。
物事を深く本質的に分かっていて
思考や分析など問題ではない




思考依存症から目覚めると
そのようになるのです。







認められたい


好かれたい


必要とされたい


人気者になりたい


カッコイイ自分でいたい


賞賛を得たい





こういうのはすべて
心理的な渇望、依存症です。




こういった渇望が満たされれば幸せになれると
思い込んでいるんですね。





でもそれは
毒物を欲しているのと同じことだと
気付いてください。



そのような渇望が
お互いを傷つけ合って
自分自身のことも苦しめているのです。



手に入れて味わえば幸せになれると信じて
エゴが欲しがっているものは


実は、毒物なのですよ