現実という名の幻想

音声ファイル " The Truth " から訳しました。





実際に起こっている唯一のことは

「いまここにいる」

これだけなのです。






いまここ以外は

すべて夢なんですよ。







そんなに難しい話ではないでしょう？

いまここ以外は 現実ではないのです。






「いまここにいる」ということさえ

ほとんどの人は

本当には理解していないんですけどね。







「ここにいるけれど

　『あなた』はここにいない」




そういうことがあるでしょう？







たとえば


ハイウェイを延々と運転しているとき





楽しかった旅行のことや

気にいらない人のことなど

頭の中であれこれブツブツ考えていて

まったく運転に気を向けておらず





ふと我に返ったら15分も経っていて

「いったいどうやって運転していたんだろう」

と不思議に思った。




そんな経験あるでしょう？










「ここにいるけれど

　『あなた』はここにいない」というのは


そういうことです。








「あなた」が車を離れている間

何かが運転してくれていたんですよね

おまけに心臓を動かしたり

呼吸もしてくれていた






そんなふうに あなたは




「ここにいるけど

　本当はここにいない」





そういうことがあるわけです。









目覚めるということは

まず第一に




自分が夢の中にいるのだと気付いて

そこから出てくることです。







ハッキリさせておきましょう。





ここで「夢の中」と言っているのは

一般的に「現実」と呼ばれている世界のことですよ。







私たちが「現実」と呼んでいる世界は

現実ではありません。

現実とは 似ても似つかないものです。








それなのに

そんな夢の世界を





私たちは


「現実」と呼び

「現実」と思い込み

「現実」と感じて


その中で生きているのですよ。







目覚めとは



「現実と呼んでいたものが

　まったく現実ではなかった」




そう気付くことです。








「現実と呼ばれているものは

　実は まったく現実ではない」







ここに来ている皆さんは

そのことに

何となく感付いている人もいれば

完全に気付いている人もいるでしょうね。







または　

自分の考えや信念など

真実だと思い込んでいたことが

勘違いだったというような

ちょっとした経験ならしたことがある

という人もいるでしょう。








非常に微妙で見えにくいものですが

見破ることはできるのです。








現実ではないと気付いたとき

心底ホッとして幸せに感じることもあれば






ときには

幻想に心地よさを感じていた場合

現実ではないと分かった途端

ひどく落胆して苦しくなることもあるでしょう。






幻想から抜け出すことが

心地よい場合もあれば

苦しい場合もある。







それでも最終的には

幻想から抜け出したほうが幸せであり

幻想の中に留まるほうが苦しくなるのですよ。






ただ、最初はなかなかそう思えないこともあります。

だから幻想の世界は厄介なのです。





幻想の世界は

宇宙の叡智には及ばないものの

なかなかいい勝負と言えるほど

実に巧妙で賢いんですよ





幻想の世界　＝　苦しみ

という単純な仕組みにはなっていませんからね。

みなさんにはよく分かるでしょう？





幻想の世界にいても心地よい体験がある。

だから騙されるのです。





欲しいものを手に入れたり

何か望みが叶ったりすると

しばらくの間はいい気分になるでしょう。







この「いい気分」が強い吸引力になって

幻想の世界に私たちを縛り付けるのです



苦しみだけがあるのではなく

少しの間はオイシい思いをしますからね。

デザートみたいなものです





でもデザートばかり食べ過ぎていたらどうなりますか？

やがて苦しむことになるでしょう？






幻想の世界で「いい気分」を感じ続けるのも

同じことなんですよ